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45.一生でかかる医療費は約3,000万円|年代別の自己負担と2026年改正後の備え方

6.税金・制度

「一生のうちに、医療費っていくらかかるんだろう」——考えたことはありますか?

厚生労働省の推計によると、日本人が生涯で使う医療費は約3,000万円。数字だけ見ると驚きますが、これは医療費の総額であって、自分で払う金額ではありません。この記事では、年代ごとにいくらかかるのか、実際の自己負担はどれくらいかを、公的データをもとに見ていきます。

まずは結論:厚生労働省のデータで見る生涯医療費

区分生涯医療費(総額)70歳未満70歳以上
男女計2,966万円1,572万円(53%)1,393万円(47%)
男性2,855万円1,571万円(55%)1,284万円(45%)
女性3,082万円1,573万円(51%)1,508万円(49%)

※厚生労働省「生涯医療費(令和5年度)」より。令和5年度の年齢階級別1人当たり国民医療費をもとに推計されたものです。

💡 ここで大事なのは、これが「医療費の総額」だということ。実際に窓口で払うのは1〜3割で、さらに高額療養費制度による上限もあります。自己負担は600〜750万円程度が目安です(この記事の後半で計算します)。

✔ この記事でわかること

  • 一生でかかる医療費の総額(男女別)
  • 年代ごとに、いくら医療費がかかるのか
  • 実際に自分で払う金額(自己負担)の目安
  • 2026年8月改正のあと、どう備えればいいか

✔ この記事の結論

  • 生涯医療費は男女計で約3,000万円(男性2,900万円・女性3,100万円)
  • ただし窓口で払うのは1〜3割。実際の自己負担はもっと少ない
  • 半分近くが70歳以降にかかる。若いうちは意外と少ない
  • 高額療養費制度があるため、一度に払う額には上限がある
  • 備えは貯蓄で備える

一生でかかる医療費は約3,000万円

生涯医療費(令和5年度推計)

男女計 約2,966万円

男性 約2,855万円 / 女性 約3,082万円

これは医療費の総額です。実際には健康保険が大部分を負担するので、自分で払うのはこの一部になります。

💡 女性のほうが約230万円多いのは、平均寿命が長く、その分だけ医療を受ける期間も長くなるためです。

【年代別】いくらかかる?

ここからが本題です。年代ごとの医療費を見てみましょう。

年代医療費(男女計)ここまでの累計累計の割合
0〜4歳145万円145万円5%
5〜19歳217万円362万円12%
20代117万円479万円16%
30代163万円642万円22%
40代200万円842万円28%
50代292万円1,134万円38%
60代438万円1,572万円53%
70代591万円2,163万円73%
80代572万円2,735万円92%
90歳以上230万円2,966万円100%

※厚生労働省「生涯医療費(令和5年度)」の年齢階級別データをもとに、年代ごとにまとめたものです。

ここからわかること

💡 医療費の半分近くは、70歳以降にかかります。

  • 70歳未満:53%(約1,572万円)
  • 70歳以上:47%(約1,393万円)

特に70代・80代の20年間だけで、生涯医療費の約39%(約1,163万円)を使う計算です。

逆に言うと、20代〜40代の医療費は生涯全体の1割程度。若いうちは、医療費よりも資産づくりを優先できる時期とも言えます。

実際に自分で払うのはいくら?

ここが一番大事なところです。3,000万円をそのまま払うわけではありません。

窓口での負担割合

年齢窓口負担
小学校入学前2割
小学校入学〜69歳3割
70〜74歳2割(現役並み所得は3割)
75歳以上1割(一定以上の所得は2割、現役並みは3割)

ざっくり計算してみると

単純化した目安(男女計・3,000万円で計算)

  • 70歳未満の1,572万円 × 3割 = 約470万円
  • 70歳以上の1,393万円 × 1〜2割 = 約140〜280万円

合計すると、生涯の自己負担はおおよそ600〜750万円程度のイメージです。

⚠️ これはあくまで単純計算です

実際には次の要素で変わります。

  • 高額療養費制度により、ひと月の負担には上限がある(下がる要素)
  • 入院時の食事代、差額ベッド代などは別途かかる(上がる要素)
  • 所得によって負担割合・上限額が変わる

2026年8月の改正で、どう変わった?

2026年8月から、高額療養費制度の自己負担上限額が引き上げられました。

年収の目安改正前の月額上限改正後の月額上限差額
約370〜770万円80,100円+1%85,800円+1%+5,700円
〜約370万円57,600円61,500円+3,900円
住民税非課税35,400円36,900円+1,500円

ただし、長期治療の方への配慮も同時に行われています。

  • 多数回該当(4ヶ月目以降)の金額は据え置き
  • 年間上限が新設され、年単位でも負担に歯止めがかかるように

改正の詳しい内容は【2026年8月改正】高額療養費制度はどう変わった?で解説しています。改正前に試算した記事は生涯医療費の自己負担はいくら増える?をご覧ください。

💡 生涯で見るとどれくらいの影響?
月額上限が数千円上がっても、それは「高額療養費に該当した月」だけの話です。生涯を通じて何度該当するかは人によりますが、数万円〜十数万円程度の増加にとどまるケースが多いと考えられます。生涯医療費600〜750万円という規模から見れば、大きな割合ではありません。

では、どう備えればいい?

1. まず「公的保障がどこまで守ってくれるか」を知る

健康保険で7〜9割が賄われ、さらに高額療養費制度でひと月の上限もあります。日本の公的医療保険は、世界的に見てもかなり手厚い仕組みです。

2. 医療費は「貯蓄」で備える

公的制度で足りない分は、貯蓄で備えるのが基本です。医療保険に毎月保険料を払い続けるより、その分を貯めておいたほうが、医療費以外にも使えて自由度が高くなります。

→ 生活防衛費はいくら必要?もあわせてご覧ください。

3. 医療費が多い年は、医療費控除を使う

年間の医療費が10万円を超えたら、確定申告で税金が戻る可能性があります。領収書は保管しておきましょう。

→ 医療費控除と高額療養費制度の違いで解説しています。

4. 70代以降に向けて、老後資金を厚めに

医療費の半分近くは70歳以降にかかります。年金だけで足りるか不安な方は、早いうちから資産形成を始めておくと安心です。

よくある質問

Q1:3,000万円も払えません…

A:ご安心ください。3,000万円は医療費の総額で、その7〜9割は健康保険が負担します。実際の自己負担は600〜750万円程度が目安で、しかも一生をかけて少しずつです。1年あたりに直せば、平均で数万円〜十数万円程度になります。

Q2:医療保険に入ったほうがいいですか?

A:公的制度には自己負担の上限があります。貯蓄で備えましょう。ライフプランを立てる事で無理なく備える事ができるようになります。合わせて公的保障の中身を確認しましょう。

Q3:若いうちは医療費がかからないなら、何をすべき?

A:20〜40代の医療費は生涯の1割程度です。この時期は資産形成に集中できる貴重な期間と言えます。生活防衛費を貯め、余裕資金で投資を始めるなど、将来に備える時間として使うのがおすすめです。

Q4:この金額は物価上昇を考えていますか?

A:令和5年度の医療費をもとにした推計なので、将来の物価上昇や医療の高度化は織り込まれていません。実際にはもう少し増える可能性があります。だからこそ、現金だけでなく資産を育てる視点も大切になります。

ポイント&まとめ

  • 生涯医療費は約3,000万円(男性2,855万円・女性3,082万円)
  • ただしこれは総額。自己負担は600〜750万円程度が目安
  • 半分近く(47%)が70歳以降にかかる
  • 20〜40代の医療費は生涯の約1割。資産形成に集中できる時期
  • 2026年8月の改正で月額上限は上がったが、多数回該当は据え置き・年間上限も新設
  • 備えは、公的制度+貯蓄で考える

数字を知ると不安になるかもしれませんが、日本の公的医療保険はとても手厚い仕組みです。正しく知って、必要な分だけ備えていきましょう。

【出典】厚生労働省

  • 生涯医療費(令和5年度)(https://www.mhlw.go.jp/content/shougai_r05.pdf)
  • 医療保険に関する基礎資料(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iryouhoken/database/zenpan/kiso.html)

※生涯医療費は令和5年度の年齢階級別1人当たり国民医療費をもとに、令和5年簡易生命表による定常人口を適用して推計されたものです。自己負担額の計算は本記事による概算であり、実際の金額は個人の状況により大きく異なります。

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