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「相続なんて、お金持ちの話でしょ?」と思っていませんか?実は、相続はほぼすべての家庭でいつか必ず起きることです。そして、基本を知らないまま直面すると、家族の間でもめたり、期限に間に合わず損をしたりすることがあります。この記事では、相続の「基礎の基礎」だけに絞って、初めての方向けにやさしく解説します。
✔ この記事でわかること
- 誰が相続人になるのか(相続の順位)
- 遺産をどう分けるのが基本なのか(法定相続分)
- いくらまでなら相続税がかからないのか(基礎控除)
- 相続税の申告期限はいつまでか
- 知っておくと安心な2つの優遇制度
✔ この記事の結論
- 配偶者は必ず相続人。それ以外は「子ども → 親 → 兄弟姉妹」の順
- 「3,000万円+600万円×法定相続人の数」までは相続税がかからない
- 多くの家庭では、実は相続税はかからない
- 相続税の申告期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」
- 配偶者には大きな優遇があり、1億6,000万円まで税金がかからない
相続とは?
相続とは、亡くなった方(被相続人といいます)の財産を、残された家族などが引き継ぐことです。財産にはプラスのもの(預貯金・家・土地・株など)だけでなく、マイナスのもの(借金など)も含まれます。
💡 まず安心してください:相続税は「遺産が一定額を超えた場合」にだけかかる税金です。後で説明する基礎控除のおかげで、多くの家庭では相続税はかかりません。ただし「うちはいくらまで大丈夫か」を知っておくことが大切です。
誰が相続人になる?(相続の順位)
相続人になれる人は、法律で決まっています。ポイントは2つです。
- 配偶者(夫・妻)は、常に相続人になる
- 配偶者以外は、次の順位で決まる(上の順位の人がいる場合、下の順位の人は相続人になれません)
| 順位 | 誰? | 補足 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子ども | 子どもが先に亡くなっている場合は孫 |
| 第2順位 | 父母 | 第1順位の人がいないとき。父母が亡くなっていれば祖父母 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 第1・第2順位の人が誰もいないとき |
例:夫が亡くなり、妻と子ども2人がいる場合
→ 相続人は「妻+子ども2人」の合計3人。夫の親や兄弟は相続人になりません。
※内縁関係(籍を入れていないパートナー)は、法律上の相続人には含まれません。また、相続を放棄した人は、初めから相続人でなかったものとして扱われます。
遺産はどう分ける?(法定相続分)
遺産の分け方は、家族で話し合って自由に決めることができます。ただし、話し合いがまとまらないときの「基準」として、法律で目安の割合(法定相続分)が決められています。
| 相続人の組み合わせ | 配偶者 | その他の相続人 |
|---|---|---|
| 配偶者と子ども | 2分の1 | 子ども全員で2分の1 |
| 配偶者と父母 | 3分の2 | 父母で3分の1 |
| 配偶者と兄弟姉妹 | 4分の3 | 兄弟姉妹で4分の1 |
例:遺産4,000万円を、妻と子ども2人で分ける場合(法定相続分どおりなら)
- 妻:2,000万円(2分の1)
- 子どもA:1,000万円(2分の1を2人で分ける)
- 子どもB:1,000万円
💡 ポイント:この割合は「必ずこう分けなければいけない」ものではありません。家族全員が合意すれば、違う分け方をしてもかまいません。
いくらまで税金がかからない?(基礎控除)
ここが一番大事なところです。相続税には基礎控除という「ここまでは税金がかかりません」という枠があります。
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
| 法定相続人の数 | 基礎控除額(ここまで無税) |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
例:相続人が「妻と子ども2人」の3人で、遺産が4,000万円の場合
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
遺産4,000万円 < 基礎控除4,800万円
→ 相続税はかかりません。申告も原則不要です。
💡 つまり:まず「うちの法定相続人は何人か」を数えて基礎控除額を計算し、遺産の合計と比べる。これが相続税を考える第一歩です。
申告期限は「10ヶ月以内」
遺産が基礎控除を超えて相続税がかかる場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、税務署へ申告と納税をする必要があります。
⚠️ 10ヶ月は意外とあっという間です
葬儀、役所の手続き、財産の調査、家族での話し合い……とやることが多く、10ヶ月はすぐに過ぎてしまいます。相続税がかかりそうな場合は、早めに動き始めることが大切です。
知っておくと安心な2つの優遇制度
① 配偶者は1億6,000万円まで税金がかからない
配偶者には大きな優遇制度があります。配偶者が実際に受け取った遺産のうち、次のどちらか多い金額までは相続税がかかりません。
- 1億6,000万円
- 配偶者の法定相続分
※この制度を使うには、期限内の申告など条件があります。「税金がゼロだから何もしなくていい」ではない点に注意してください。
② 生命保険金には非課税枠がある
亡くなった方が保険料を払っていた死亡保険金を相続人が受け取った場合、「500万円 × 法定相続人の数」までは相続税がかかりません。
例:法定相続人が3人なら、500万円 × 3人 = 1,500万円まで非課税。
今日からできる「相続の備え」3つ
1家の財産をざっくり把握する
預貯金・保険・家や土地・株や投資信託など、「どこに何があるか」を一覧にしておくだけで、いざというときの家族の負担が大きく減ります。(記事24番「ライフプランシートの作り方」も役立ちます)
2基礎控除と比べてみる
「3,000万円+600万円×人数」と財産の合計を比べて、相続税がかかりそうかどうかだけ確認しておきましょう。
3家族と話しておく
相続で一番多いトラブルは、税金ではなく「家族間のもめごと」です。元気なうちに、財産のありかや希望を軽くでも話しておくことが、最大の相続対策になります。
よくある質問
Q1:遺産が基礎控除以下なら、何もしなくていい?
A:相続税の申告は原則不要です。ただし、銀行口座の解約や不動産の名義変更(相続登記)などの手続きは必要です。なお、相続登記は義務化されています。
Q2:借金も相続されるの?
A:はい。プラスの財産だけでなく借金も引き継がれます。借金の方が多い場合は「相続放棄」という選択肢がありますが、期限(原則3ヶ月以内)があるため、早めに専門家へ相談してください。
Q3:遺言書があったらどうなる?
A:原則として遺言書の内容が優先されます。ただし、一定の相続人には最低限の取り分(遺留分)が保障されています。遺言書が見つかったら、勝手に開封せず、扱い方を確認しましょう。
Q4:相続税がかかりそうな場合、誰に相談すればいい?
A:相続税の申告は税理士の専門分野です。また、税務署でも一般的な相談ができます。この記事はあくまで入門なので、実際の手続きは専門家に相談することをおすすめします。
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ポイント&まとめ
相続は「知らないと不安、知れば怖くない」の代表例です。基礎の基礎として、次の5つだけ覚えておけば十分です。
- 配偶者は常に相続人。それ以外は「子ども → 親 → 兄弟姉妹」の順
- 分け方の目安は法定相続分。ただし家族の合意があれば自由
- 「3,000万円+600万円×法定相続人の数」までは相続税がかからない
- 相続税がかかる場合の申告期限は10ヶ月以内
- 配偶者の優遇(1億6,000万円)と生命保険の非課税枠(500万円×人数)がある
まずは「うちの基礎控除はいくらか」を計算してみるところから始めてみてください。それだけで、相続への漠然とした不安がぐっと小さくなります。
【出典】国税庁 タックスアンサー
- No.4102 相続税がかかる場合(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm)
- No.4132 相続人の範囲と法定相続分(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4132.htm)
- No.4158 配偶者の税額の軽減(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm)
- No.4114 相続税の課税対象にならない財産(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm)
※制度の内容は変わることがあります。最新の情報は国税庁のサイトでご確認ください。
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